はちみつの結晶
結晶蜜について
秋から冬にかけ気温が低くなるとこんな問い合わせがあることがあります。
「まだビンを一度も開けていませんが、何やら小さな浮遊物があったり、もやがかかったようになっていたり小さな粒みたいのがビンの底にありますが大丈夫ですか?」
これがはちみつの結晶の始まりです。
この結晶という現象、品質には特に問題ありません。ではなぜ結晶するのか?
科学的な根拠と数年の観察から2つにまとめてみました。
(1)気温や振動
はちの巣箱の中の温度はよく30度くらいあるなんて言われますが、実際温度計を入れて計ってみたところはちの数(密度)や箱を置いている場所(標高や日陰、日向)によりますが、採蜜期は別として意外と外気と同じかちょっと高いかなというのがその時の現実でした。どちらにしても採蜜期の春から夏は気温も巣箱の中も温度は高いので採集し、三回濾してビンに詰めておくと季節が進むごとに保存温度は低くなっていきます。例えば火をかけながら砂糖をとかせるだけとかして冷ますと溶けていられる量が少なくなるので結晶して砂糖のかたまりができます。同じようにはちみつも温度が下がると溶けていられずに結晶という形で固まっていきます。固まるといってもマーガリンのように滑らかなものもあれば、ジャリジャリ、ザリザリな心地い歯ごたえで固まるものもあるなど様々。プラス、お手元に配送される際の外的な振動も結晶同士がぶつかりくっ付きやすくなるのでより結晶しやすくなると考えられています。
(2)ブドウ糖の性質
はちみつは大きく分けてアカシア(木本類)などに代表される果糖と百花(自分たちのところでは主に草本類)に代表されるブドウ糖が主の成分となっています。ブドウ糖は果糖に比べて水に溶けにくいという性質があり同じ条件では果糖の4分の1しか溶けていられません。写真は採集し、サンプルでとってあるアカシア(果糖)と百花(ブドウ糖)の写真です。
アカシアは単花率が高いとウォーターホワイトなんて言われるくらい水のように透明に近くなります(偽物に注意!!)が、結晶というより3年たつと色が濃くなり少し粘度が上がっていますがホントにわずかに結晶するくらいです。これはアカシアの単花率が高かったと考えています。
一方、自分たちの採蜜地では標高の高いアカシアの残りやケンポナシ、クマノミズキなどがわずかに確認できますが、特に目立った木本類の花は咲いていません。それなのに何故か蜜がどんどんたまっていく・・・。山を歩いてみると色々なとこでチョコチョコ草花が咲いているので間違えなくそういう蜜をハチが集めていると思われます。なので写真のようにしっかり結晶しています。この2023年の百花蜜の結晶はバターのように滑らかでザリザリも全くなく、パンに塗りやすく垂れずに最高でした。さらに言えば結晶には花粉も影響するといわれていますが、それはまた次の機会に
結晶は悪いことではない
個人的にはとれたてのはちみつも好きですが、どうしてもパンにのばしたりするとお皿にこぼれたはちみつを指ですくうことになるので大変。結晶したはちみつは種類にもよりますがこぼれにくいので不器用な私でも使いやすく重宝しています。
とれたてのはちみつは形で言えば四角形。はっきりとした味となめらかな舌触りははちみつの醍醐味でとてもおいしいです。
一方、結晶蜜は丸形。角がとれまろやかな優しい味がします。はちみつの花の香りなどが苦手な方はこちらの方がおいしいと感じる方もいるかもしれません。ヤマザクラの時にどうしてもはちの成長の都合上菜の花が入ったり、ヤマフジが入ったりしてしまいますが、このザリザリする結晶蜜が好きで固まってから食べてますという人が結構います。
一度結晶すると融解しても気温が低いとまたすぐ結晶してしまうのでLocal earthでは戻さずに結晶蜜として販売しています。どの結晶蜜もおいしいですが、おすすめはヤマフジの結晶蜜です。一度お試しを。
それでも結晶を融解したい場合は
一般的には40~60度ぐらいで湯煎する方法が紹介されています。
私たちの販売しているビンの表示にもそう書いてありますが、ずっとその温度を保ちながら湯煎するのは大変です。
いろいろ試しましたが、一番のおすすめは一緒にこたつにあたること。こたつの種類や設定が違うので注意が必要ですが人が入ってあたたまるものなので高すぎる温度にはならないけど、ずっと暖かい。置きたいところを温度計で一度確認すれば間違えなし。ファンヒーターを直接こたつに引き込んでる方は直接温風を当てないように気つけてください。。
